上山さんが家具づくりを始めたころに制作していた椅子は平面的な物でした。なぜ体にフィットしないのだろうという疑問は、アパレルメーカーのデザイナーだった経験から解けてゆきました。人間の体になじむ椅子は、三次曲線で構成される服と同じようなパターンなのではと気づいたのです。
「服はどこで重みを受けるかによって軽く感じたり重く感じたりして、着心地が変わります。それと同じで、椅子もどこで体を支えるかがものすごい大事なんですよ。
それに気が付いた時はうれしかったなぁ」。
ここ数年、ハンディキャップのある人から注文が入るようになりました。リウマチのため背骨が大きく曲がったおばあさんのためには、背中の形に合わせ背もたれを改良しました。オーダーメイドの服のように採寸し、体型に合わせて作ります。
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